燕山荘テント泊!オオダイになろう~燕岳①

テント泊

2022.1021~1022 燕山荘テント泊

1日目 中房登山口~燕岳~北燕岳~燕山荘泊
2日目 燕山荘~中房登山口

子供のころは、夏が好きだったので秋が来ると寂しかった。
だけど、大人になるたびにこの季節が好きになれた。

夏のワヤワヤが終わり、年末のソワソワの前に来る。
穏やかな季節です。

きんもくせいが香り、すぅー-っと軽やかな風が吹くと。

「あぁ、、わたしはこんなに穏やかな時に産まれたのだなぁ」

と、ふと思う。

「もう、10月かぁ。今年はヒトミも大台だねぇ。。」

と、母がカレンダーを眺めて笑ったから。

「オオダイかぁ。めでタイなぁ~。」

と、笑い返した。


思えばあるとき。
職場で誕生日の話になって。
それが、たまたまその日がわたしの誕生日で。

「あ、わたし今日誕生日です~」

と言ったら、

「え~そうなの!?やば!おめでとーーー」

とか言ってくれた人達の間に入って

「自分の誕生日に仕事をするな!」

と、割り込んできたのは昔の上司であり。

「別にやることないから仕事しますよーー」

と、返事したら怒られた。

それから、何度も仕事を変えたけれど
何もなくても、自分の誕生日には休みを取った。
あの時の上司の言葉は正しい。

「自分が生まれた日を大切にしろ」

そう。
だから、今は山に行きます!

静かに歩ける所も考えたけど…
40歳になるオオダイは華やかに行こうかなと!
バースデー登山に決めた山は燕岳。

中房登山口の駐車場は、ほんのわずかな期待を持ち。
第1駐車場まで突っ込むけれど、結局第3駐車場になるのはいつものこと。
最初の道路歩きで心折れそうになるなるのもいつものこと。

登山口前でパンパンと手を合わせ。

「どうぞ、よろしくお願いします!」

すぐに始まる急登。
まぁ、ゆっくりいけばいいよ。

歩き出して思い出す。
初めての高い山、アルプスデビューは燕岳だった。

2016年の夏の日。
山小屋に泊まるのも初めてだった。

あの時は、ガスってたなぁ~。
だから、あんまり景色を覚えてないや。
燕山荘の部屋で一緒だった、同じソロの女の子たち。
同年代でお話も盛り上がり楽しかったなぁ。

その翌日、わたしは行けるところまでと大天井方面へ。
荷物をデポするとか考えに無いわたしは、全部背負って歩いてた。
疲れた所で引き返した訳だけど。。。
小屋で一緒だった女の子は、

「大天井まで行ってきたよ~」

と、身軽な姿で戻ってきていた。

あの頃のわたし。
なーんにも考えてなかったなぁ。
というより、なーんにも分かってなかった。

そんな初めての燕岳。

それから、なんだかんだ1番登ったアルプスも燕岳。
今回は何度目になるんだっけ。

おやつも食べながら。

テントザックを背負い、ゆっくりと登っていると~
追い越す方や、すれ違いの方に声掛けられる。

「荷物重そうですねぇ~縦走!?」

「何泊するの?」

などなど。

いえいえ、ピストンだし1泊です。。
たいした物持ってきてないはずなんだけどなぁ。
もっとシュッとしたザックにしようかなぁ~笑

所々のベンチでありがたく休憩をとる。
富士見平では

「富士山、綺麗にみえているよー」

富士見平で富士見。

と、教えてもらう。
どこであっても、富士山が見えるのはやっぱり嬉しい!

【合戦小屋まであと10分】

はいはい!やっと来たー
大天井も見えて来たー

この看板を通り過ぎて~
ご褒美の合戦小屋に着いたら、何を食べようかとそればかり考える。

たどり着いた合戦小屋!

「豚汁をくださいな~」

温かさと、この塩気が染みるぅ~~
これと食べれば、冷たいおにぎりだって美味しくなる!

甘いより、しょっぱいものを!しみわたるぅ~

よぉっし!
もうちょっとだもんねー-と、ふたたび登りだす。

だけど、
ここからバテるのもいつもの事。
休憩を繰り返しては自分を励ます~

しんどくて、ザックを下してウィダーイン的ゼリーすする。

ホラ、今日は槍のやつも見えているよ!
ホラ、えいこらえいこら、、えいやっと~

でたなヤリーーー!

小屋も見えてくるけれど、見えてからがまだ遠いーーー。
何度も先にゆく方を見送り。。

あぁ~しんどい。しんどーー。
こうして、小屋の前に出ればー--。

どどー--ん。
やっと現れた、向こう側の景色!

あぁぁぁーーーーーー

「あぁぁー----。」

やっぱり、泣きそうになるこの瞬間。
ここの、この景色。
やっぱり好き。

ここに来て見える山並みはホントに良い。
だから来たくなるんだろうね。。

小屋で受付をしたら、通り沿いの区画にテントを立てよう。
風が当たらないのでゆっくり設置できる。

だけど、トキ子よ。。
あんた、こんなに手のかかる子だったっけ、、、

モンベルのシングルウォールに慣れてしまったからか。
うー-ん、前室がー-
うー-ん、ペグこんなに刺すんだっけ?

エアライズ1 朱鷺色のトキ子です。

そうこうしながら、到着してくる皆さま。
途中、お声かけしてくれた方も~。

「おつかれさまでしたー--」

みんな、あの景色を見て

「おぉぉー---」

「やったね~よかったねぇ~」

嬉しそうに写真を撮りあう。
そんな声が聞こえる。

みーんなあの道のりを歩いて来たのだもんね。
いいよね、ここ。

こうして、あれやこれやと終えたら~。

小屋に行って、缶ビールを買って~
ぬぼーんと変わらぬこの子にもご挨拶!

よぉー-し!!
小屋で生ビールを飲みたい欲望をがまん、、、

アタックザックにおやつとビール。
手袋とニット帽装着したら~

いくぜ!女王様ー--。

いつ来ても美しいお姿です

身軽になると歩く楽しさ倍増。
イルカさんにもご挨拶。

「久しぶりィー--」

イルカさんも居るから!

この時間は、ちょうどランチタイムだからなのか?
人が少なくていい感じ♪
お天気最高~
ホシガラスさんもご機嫌に飛び交う~

メガネ岩だがね~
キタツバへ!

山頂は、写真を撮る方多数。
なので先に北燕岳へ行ってみます。

すると、誰もいない北燕岳。

しめしめと。。
少し下のハイマツの所は、風も当たらずお日様ポカポカ。

「ここで一杯いっちゃおっかなぁー--」

かんぱーーい!
独り占めの景色とともに~

おやつ取り出し、ビールをプシュッとな!

「いただきまー---す」

くうぅぅぅうう、、、、
これはー--。

最の高!!

抜群の眺めをひとりきり。
見えるのは山、山、やまー---ーーー。
青空ーーーー-。

ニヤケ顔で山並みを眺める。

水晶も、ウラギンザも。。

むこうの方向は立山~
あの平らの所は五色ヶ原?
え?そんなに見えるん?

双眼鏡で覗くと、なんか小屋っぽいものが……
違うんかな、

うー-ん。
????
解決できない事もソロ旅の良いところです。

うー--ん。
ビールより日本酒飲みたくなってきたー-。


せっせと、ふたたび燕岳山頂へ戻る。
せっかくなので、居合わせた方に写真を撮って貰う。

お揃いのTシャツが素敵だったお二人。
良い写真をありがとうございます。

戻る道のりは人通りも多くなり。
良い時に行って来られて良かった。

小屋へ帰る途中では小鳥さんに遭遇。
ちょんちょん。
ちょんちょん、と。

まってーー、まってーー!と追いかける。

カヤクグリという子らしいです
山頂の看板レパートリー多数

ソロ旅のせいでしょうか。
こんなに小さな鳥さんに会えると嬉しくて。

「どこから来たのー?」

と後を追いかけながら歩けば、あっという間に小屋が見えた。
テントに戻って、防寒着着込んできたら~
日が落ちるまで外にいようかな。

ただいま~っと
テントも増えていました

小屋でお酒とお土産を購入~。
しっかし、ほんとーに何でもあるのね燕山荘。
食べられる食事も、おつまみも、お酒の種類も・・・
中は広いし、あったかいし。
ここは山リゾートである!

お土産にスタッフバック。色々使えそうでよい!

そしてなんと、あつかん発見!
2本目はこれにしよう。(おかわり確定)

ベンチでお酒をチビチビ、夕日を待つことにします。

途中のSAで買った鶏の燻製。日本酒に合う~
大絶景と共に頂くのは山の酒!大雪渓

上下ダウンを着込んでいれば寒くはないので
ここでご飯の支度。
お湯を沸かそうとガスに火を点けようとしたら~

「パキッツポキ」

なーーーんと。
謎の部品が飛び散りまして。
音がしたら、壊れました。ストーブ。。

「おぇーーー、ここで壊れる!?」

まぁ、もういいか。

もうすぐ、今日が終わるねぇ…

夕暮れの空を見ながら思いにふける。

もうすぐ40歳。
ハタチの時は何してたんだっけ。
ミソジのお誕生日は何かあったっけ…?

思い返しても、なーーんにも覚えていないのね。

何かあったのかもしれないけれど、印象にないというか、
その頃のわたしは、つまらないものばかり。
欲しいものばかり、何をしても満たされない。
そんなんだったなぁ。。。

もうすぐ日が落ちる。

時間どおりに沈んでゆく太陽。
待ってはくれない太陽。

どんどんどんどん、、
終わってゆく今日。

あつかん、握りしめながら。
最後の最後のキラリまで見せてくれた。

この日を、きっと忘れないかなぁ。。

今日の夕日がとても綺麗で、ほんとうによかった。

②へつづく。

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