2024.0502 月山
月山スキー場(月山ペアリフト)→リフト上駅→月山神社
姥ヶ岳→スキー場を歩いて下山
思い起こせば若かりし頃。
わたしは、某商業施設の地下2階で働いておりました。
モグラと呼ばれる事務所であせくさと。
朝なのか夜なのかも分らない時が巡る日々。
職場には、新庄似の上司がいました。
元、△紅という商社にいた新庄はやたらと頭の回転が速い。
問題が起こっても秒殺で送り返し、周りの人間を使うのも上手い。
今ではモラハラ・パワハラの部類に達する事もする。
みんなのいる前で社員を怒鳴りつけるのも日常。
(あー今日の新庄、機嫌悪いなー)
と、ささっと避難したりもする。
「おまえ、これ確認したのか?」
書類を作った私に言ってくる。
その度に、ここがこーじゃないあーじゃないと。
「あぁ、おまえメール送る前に文章見せろ」
(あーーもー、ムカつくなぁ。そんなとこまで指摘すんなよ)
仕事に対しては細かくてうるさくて何なんだよコイツ。と思っていた。
それに対しムカついているのを知っている新庄は。
”仕事を教える”というていで私をモグラ事務所から連れ出す。
そこで必ず立ち寄るのが7階フロア。
また寄ってくのかよーーー。
という目をする私に、新庄は笑ってこう言った。
「いいか、これは確認なんだ。」
7階フロアには、この商業施設の管理事務所がある。
日の当たるフロアで応対して下さるお姉さま方は、それはそれは眩しかった。
”確認”という、この行動について新庄はこのように述べた。
遠くで眺めて、”良いな”と思う子がいる。
BY 新庄
その次に、本当にイイ子なのかを見に行く。
そして、やっぱりイイ子だと思ったら声を掛けてみる。
声を交わしてみて、本当にイイと思うのか。
その確認が大事なんだ。
「はぁーーー。。確認ですかー」
ウン十年経った今。
そんな言葉を山に置き換えている自分がいる。
わたしが良いな、と思っている山形の大朝日岳。
何かの映像で見た山並みと稜線美に心惹かれ。
それはそれは、いつか登ってみたい山となっていた。
“良いな”と思う山がある。
その次に、本当に良い山なのかを見に行く。
そして、やっぱり良い山だと思ったら登ってみる。
そこに立ってみて、本当に良いと思うのか。
「これは確認なんだ。」
月山スキー場に着いたのはAM6:00。
深夜着の方も多いらしく、20台位は停まっていました。
駐車料金は\1000で前払い。おトイレと更衣室も完備されています。
準備を済ませて出発すると、リフト乗り場まで結構歩きます。
ペアリフトのチケット売り場に着くと、スキーヤー達が沢山。
しばし、列に並んだら”のぼり”だけの片道チケットを購入。
リフトに揺られて運ばれてゆきます。
たどり着いた終着地点。
すでに景色が良かったりする。
でも、まずは登らないと~。。
あの先には景色がーー。
という思いでえいこら登る。
登り上げればーー。
あれが大朝日連峰かーーー。
めちゃくちゃ、、いい。
登るたびに振り返っては確認をする。
月山へ行く道のりはそれぞれの道。
登山道を使ってもよし、残雪ルートを行ってもよし~
残雪ルートは巻いていけるけど展望はなさそう。
景色が見たい私は、なるべく夏道を歩くことにします。
振り返るといろんなルートで登ってくる方たちが見える。
でも、目指しているのはみんな一緒。
山頂手前でたくさんの人と合流し賑やかになる。
そのほとんどの方が、スキー板やボードを担いでおりました。
お楽しみはこれから!という雰囲気も羨ましい~。
それから、頂上小屋の横を通りテコテコと歩いていけば月山神社に到着。
人が多いわりに、神社に立ち寄る人は少ないようでした。
「この度は、確認と言う旅をして参りまして…」
という、勝手な心情と思いを伝え手を合せてご挨拶。
神社の後ろにぐるっと回って山頂へ。
風が通って冷えるけど、いい景色。
山頂の看板に行くと、写真を撮る方で順番待ちになっており。
先に休憩を取ることにしました。
風を凌げるところでご飯を食べる。
目下に広がる山のゼブラ柄がほんとうに凄かった。
「あ、空いた」
山頂が空いた隙にささっと写真を撮る。
右手側に広がる雪の広場。
ここをスィーーンと滑られたら気持ちいいだろうな~。
遠くに人が見えたけれど、滑って行ったのかな?
それとも登ってくるのかな?
ここを離れるのは名残惜しいけれど下山していきます。
どんどん降りて行って~
お地蔵さまにご挨拶をして。
気が付けばほとんど人がいない。
滑って行ったり、巻道で下山して行ったようで解散が速い!
わたしはひとり、のんびり夏道を歩いて景色を眺める。
あの山並みが大朝日岳連峰。
どう思ったのか自分に尋ねる。
あの山はとてもいい山だ、と思う。
あの山に居られたら幸せなんだろうな、と思う。
あそこに立ってみて、本当に良いと思うのか。
この山並みを眺めながら、明日はどうするべきかを考えるのでした。
コメント