2025.0426~0427 三嶺山~天狗塚
駐車場には4~5台停まっていたが、車中泊していたのは私のほかに1台だけだった。
夜中は、思いのほか冷えて寒かった。
うーん。車の中でこれだと明日はもっと寒いよねぇ。。
ザックの中を考え直す。
よし、大は小を兼ねる!
念のため車に積んでおいた大きいザックにあれやこれやと詰めなおす。
あー、結局こうなった。
ミニマムサイズにはならない…
トランクルームを開けてひとり、あーだこーだやっていると~
背後に視線が…
振り返ると、そこには黒いワンちゃんがいた。
小心者のわたしはかなりビビった。
中型犬くらいだろうか。
じーーっとわたしの様子を見ているわんこ。
「おはよう。どうした」
手を差し出すと、しっぽをフリフリ。
よしよし、と撫でてやると満足そう。
近くの民家から散歩に来たのかなぁ。
こうして見回りに来ているのだろうか。
靴を履いて準備を済ませ、見送ってくれたワンちゃんに
「いってきまーす」


ワクワクからなのか、背負ったザックの重みが全然感じられない。
踏み出す脚の調子も良い。
最近通っている、整体師のおじちゃん先生に揉みこまれたおかげか。
「よし!これでいいだろ。遊んで来い!」
と、背中を押してもらったわたしは無敵である。
四国の山にレッツトライ!

緩やかに森の中を進んでゆく。
朝日の当たる道のりが気持ちいい。


時どき、お花が咲いていたり鉄塔があったり…
森の道を歩くと~。
木々からの新しい芽がきれい。
森の息吹き、山の目覚め。

「いぶきちゃん」
二十歳そこそこの頃は、そこそこ限りの友達だけだった。
あのころ、一緒にバイトしてた同級生のナナちゃん。
ナナちゃんは、元々家庭環境が複雑な子だった。
親戚のお家で育てられ、中学校ではほとんど見かけなかった。
だけど大人になってから、ちょっとした縁で仲良くなり。
毎晩のように飲み明かしては、ナナちゃんのお家に泊まり。
翌朝「迎えちゃう~?」とか言ってビールを取り出し、昼間から一緒に酒を呑んだりした。

そんな遊びも疲れて連絡も取らなくなったころ。
「結婚はいつでもできるから今はしない。だけど繋がりのある家族が欲しいんだ」
といって、ナナちゃんは妊娠した子をひとりで産んだ。
名前はいぶきちゃん。
ナナちゃんらしいなぁと思った。
真っ赤な口紅が似合う美人のナナちゃん。
笑うとえくぼになるナナちゃん。
目薬の差し方が変なナナちゃん。
冬が終わり
森の息吹きを感じるたびに、どうしてるかな~と想っているよ。
いぶきちゃんとナナちゃんが笑っていますように。


買っておいた、お試しのおみやげ品が今回の行動食。
味見がてら休憩をする。


モグモグ、モグモグ…うーんなるほど。
こうゆう感じか~
おみやげ、何がいいかなぁ~と考える。


「今日はお泊りですか?いいですね~」
と、声掛けしてもらう。
ここまで見てきた感じだと、日帰りの人ばかり。
小屋泊の人いないんかな。
もしかして、貸し切りだったりしてー
それはそれでいいけど。


笹の草原が出てくると、これだよコレーという景色。
絶好調の青空にありがとう。
まずは避難小屋を覗きに行ってみよう。


「トントン!」
ノックをして入ると、2人組の方が休憩をされていて。
少しの間、お話をさせていただいた。
剣山から縦走してきて、これから下山すると言う。
「お亀岩避難小屋ですか。そっちへの稜線も良さそうですよー」
昨日、先の稜線を歩いて来たと言う。
良さそうです、と聞いて楽しみが増しました。


とっても綺麗な避難小屋だった。
小屋からすぐのおトイレにも寄ってみる。
シャッターが閉まっていて、下から持ち上げると開く仕組み。
小屋もトイレも快適すぎるよ…
ここも良いところだなぁ。

おトイレを後にして三嶺山を目指す。
振り返ると、写真で見ていたこの景色!
これだよ~ここだったのね。


それから、もうひと登りを頑張れば山頂に到着。
さほど広くないけど景色が良い。
来たぜーー四国1座目、三嶺山!



これから目指す道のり、剣山から続く道のりを眺める。
山容がここで変わるのだろーか。
雰囲気が全く違うなぁ。
「やっぱりこっちにして良かったーー」

こちらに来ると、めっきり人がいなくなり。
向かってゆく景色、どんどん広がる山並み~
ひとりきり、両手をひろげて
来て良かった~~


気がかりだった風の強さもさほどなく、これならゆっくり歩いてゆける。
のんびりと行くことにします。

それでも着いてしまう西熊山。
ここまであっという間。
もっと続いてほしいと思うような道のりだったなぁ。


西熊山も景色が良く。
明日歩く、天狗平の方もみえました。
ここを降りればお亀岩避難小屋に着く。
だけど降りてしまえば、あちらの景色は見えなくなるね。
名残惜しいけど。。


それでも寝床確保をして安心したい、という気持ちもあり。
テクテク降りて行き、お亀岩避難小屋へ到着。
「失礼しますー」
と、中に入るとすでに3人の方がセッティング済。
写真を撮れなかったのでこちらをご参考下さい。
角のスペースを確保。
向かいには三嶺山であいさつをしていたUL系のおにーさん。
てっきり、日帰りの方かと思ったが剣山から縦走しているそう。
明日の工程を話すと、同じ所に降りるみたいだが
「最後の林道にタクシー頼んであるんですよー」
え!そんな方法もあるのか!と思う。
そう、明日はうんざりしそうな林道歩きが待っているのである。
それはいいなーー。
「どちらからですか?」
と問われて、栃木です。と答える。
今日は歩く中、色々な方とお話をしてきたが
その都度聞かれた質問だ。
たぶん、言葉のイントネーションが違うと感じるのかもしれない。
みんな関西系の言葉を使っていたし。
こちらのおにーさんは、
「自分は高知です」
坂本龍馬の高知人だ!すげぇ。
ちょっと食い気味になってしまった。
「四国の山はどこがオススメですか!?」
と尋ねると、
「今日は三嶺から登ってきたんですよねー、
明日、天狗塚に行くルートなら…すでに一番良いところ行ってますよ!」
と笑った。
”みうね”ではなく、”さんれい”と言うのを聞いて感激する。
高知の人が使う三嶺山の呼び名。
おぉ~、本当だったんだーーと思った。
「水場、鹿さんのソレはわりとすぐにありましたよ~」
という情報も得つつ、水を汲みに行くことにする。


水場への道は、まぁまぁの岩ゴロで降ってゆく。
サンダルではなく靴を履いていった方が良いです。
鹿さんが朽ちていたりもします。
水を汲んで、再び小屋に戻る頃には~
続々と小屋泊の方がやって来ていて満室御礼。
ひとり者の私には、あれだなーーと思って少し登ったところに移動してご飯とノンビリタイム。


「小屋泊の方ですかー?」
ボンヤリしていると、西熊山から降りて来た方に問われる。
「小屋は結構いっぱいになってますー」
「おひとりなんですか?」
「はいー。だからなんだかアレでーー」
「そうでしたか!私たちはテントで行ってみます~」
いってみますぅー。のニュアンスが、関西系だぁと思った。
京都ぽいというか。
雰囲気が違う。聞きなれない言葉の感じと。
「どちらからですか?」
という問い。
遠いところに来たもんだ~。と改めて思う。
小屋に戻ると、ワヤワヤと満室御礼。
高知のおにーさんは外にテントを張っていていた。
初めてのソロ避難小屋泊。
だけど、、こんなに、、こんなにーー
満室になると思ってなかったよーーーー。
翌日につづく。。
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